今回の内容は僕の希望を強く前面に出している。そのため、少々愚痴っぽい内容となる。
多くのカメラメーカーのカメラはボタンがとても多い。多すぎてとても機能と位置を覚えきれない。
マニュアルをしっかり読み込めば良いのだが、多くの方と同じ(と、僕は勝手に思っている)ように、必要なとき以外はマニュアルは繰り返して読まない。
キヤノンもニコンもソニーもパナソニックも富士フイルムも、その他の国内メーカーもすべてそうだがボタンとダイヤル、機能説明の文字やアイコンの印字が多い。
しかも、真っ黒なボディなのにも関わらず、白文字でごちゃごちゃといたるところに印字されているのだ。
これがたまらなく嫌だ。
今回は、カメラのデザインについての考えをまとめる。

僕はライカのSL2-Sを使用している。
カメラの機能をアサイン出来るファンクションボタンは5つと押し込み式のダイヤルがひとつある。
ボタンの数と機能表記の印字は最小限である。これがライカのアイコニックになっている。
対して、日本のカメラメーカーの多くはボタンの数や機能表記の印字が多い。
ボタンに限らずダイヤルやレバーにももれなく印字されている。
このようなカメラはファンクションボタン(カスタムボタン)にも「Fn1」や「C1」などと印字されているが、そこまでする意味はあるのだろうか。
「ここのボタン」はここにしかないので、「あっちのボタン」や「こっちのボタン」と間違えたりしないし、このファンクションボタンにこの機能を設定したのは自分なんだから、操作を間違えることはない。
そもそも、ファンクションボタンへのアサインは使っている本人が分かっていればそれで良く、第三者が理解する必要など全くないため「Fn1」や「C1」など印字する必要は全くない。
ISOやシャッター速度も固定ボタンとしては不要。ドライブモードや露出補正、静止画/動画切り替えなどもファンクションボタンで充分だ。
毎回撮影の時に素早く切り替えが必要な機能はその人の使い方によって変わるのだから、固定ボタンに割り当てられていると、かえって使いづらい。
皆様は自分のカメラのボタンの配置を完全に覚えておられるのだろうか?
目を閉じていても押し間違えることが無いくらいでなければ、ファインダーを覗いたままの状態で操作は出来ないだろう。
以前、ソニーのα7IIを所有していた。4年間使用したがすべてのボタンの位置はほとんど覚えられなかった。
ミラーレスカメラが搭載しているファインダーは多くがEVFである。カメラを構えながら仕上がりの色合いをEVFで確認できるためとても便利だ。
しかし、ISOを変更したいがどのボタンかわからずにファインダーから目を離してISOボタンの位置を確認したことはないだろうか。ホワイトバランスを変更するボタンはどこ?シャッター速度を変更するボタンはどこだ?と都度ボタンを目で確認してから、また視線をファインダーへ戻す。
ボタンの位置を覚えればよいのだが、撮影に集中する際のボタンは5個程度で十分なため(シャッター速度、ISO、ホワイトバランス、露出補正など)、これ以外のボタンは不要であり、他の機能はモニタを見ながら操作が出来れば充分だ。
EVFを覗きながら、「ISOボタンはドレダッケ? あぁコレジャナカッタ!」なんてことが起こると撮影のリズムが途切れたり、なにより集中出来なかったりする。
迷うならむしろ無い方が良い。
その代わりファンクションボタンを多めに配置して、好きなボタンやダイヤルに任意の機能を設定出来れば良い。そうすれば、ボタンの総数も少なく出来るし、なにより機能説明の白文字アイコンが不要になるため、見た目がスッキリする。
ダイヤルの表記も同様だ。「ダイヤルに表記があれば電源を入れていなくても現在の設定状況が分かる」という意見もあるが、そもそもこのカメラでいま撮影しているのは自分なんだから、ISO感度やシャッター速度の設定値くらいは覚えている。わざわざダイヤルを見て確認するまでもない。

カメラで撮影する人の服装は割と暗い色であることが多い印象を持っている。意図を持ってオシャレな服や花柄を着る人は稀である。
ならば、カメラボディもそれに倣うべきではないかと思ってしまう。
どうも日本人は昔からひとつのものにナンデモ詰め込んでしまうことに美意識を持っているようだ。
ナンデモ詰め込むのも良いが、それをユーザーが使いやすく出来るだけシンプルにまとめることこそ機能美であると思っている。
マイノリティな意見かもしれないが、僕にとってこの理想を実現しているライカSL2-Sは、この上なく自由で使いやすく、そして美しい。

と、ここまで僕の一方的な意見を述べてきた。
ここからは、なぜボタンが沢山あり印字も多いのか、その理由を考えてみた。
例えば、操作説明をする際。主に初めての方向けの説明においては、どの位置にあるボタンか、またはどの機能のボタンなのか表記があると説明しやすい。
機種によりボタンの位置が異なってもアイコンが印字されていれば言葉の意味が分からなくても通じる。
ナルホド。
ではプロ用のハイクラスカメラでは不要なのか。
大規模なスポーツ大会の現場では、カメラの機材トラブルの際にすぐに対応できるよう会場内にメーカーのサポートブースがあるり、とっさの修理調整などの対応をしてくれる。
また、代替機を借用できるメーカーもあるようだ。
そう考えると、商業写真家の方は、常に様々なカメラを使うことになる。
使用者自身でボタンアサインを設定できるカメラの場合、同じ機種であってもアサインが異なれば、再度ひとつずつ設定しなければならない。
そうなると代替機も大変だ。
しかし、ボタンの機能が固定されていれば、カメラが代替機に代わっても全く同じように使うことが出来る。
ボタンの機能が決まっているということは、こういった際に便利だと思った。
仕事の道具として考えた際、常に安心して使えるかが重要なポイントになると思うが、それは頑丈で壊れない、誤作動しないということと同じくらい、今までと同じように使えるという点が大きな要素になる。
そういった意味で、ボタンに様々な機能をアサイン出来なくなっているのか。
ナルホド腑に落ちた。
だが、僕はプロではない。
イベント会場でプロサービスから代替機を借りることはない。
しかし、素人であるがカメラにはそれなりのコダワリを持っている。
こういった層はむしろ今の時代の写真撮りに多いのではないだろうか?
今の時代、写真はスマホで撮影出来るのに、あえてカメラで写真を撮る人は余程カメラで撮影することに強いコダワリをもった人が多い。
何か両立できる方法は無いかと考えたところ、各ボタンにニコンのようにボタンイルミを付ければよいと思った。さらに、その表示は25ドット程度のモニタであれば、表示できるアイコンを任意に変更できるのではないかと考えた。
名案と思ったが、コストがヤバそうだ。
というわけで、僕のこの考えが変わらない限り、暫くカメラはライカを使い続けることになりそうだ。
